部落会、町内会等ノ指導ニ関スル件(昭和17年8月14日 閣議決定)
     [口語訳]

大政翼賛会ハ五月十五日ノ閣議決定ノ趣旨ニ基キ部落会、町内会、隣保班等ヲ其ノ指導スル組織トシ其ノ指導ヲ徹底スル為左ノ措置ヲ講ズルモノトス
(一)部落会町内会等ニ大政翼賛会ノ世話役ヲ置キ隣保班ニ世話人ヲ置クコト
(二)世話役及世話人ハ市町村支部長又ハ六大都市ノ区ノ支部長ノ推薦ニ依リ道府県支部長之ヲ委嘱スルコト
(三)世話役及世話人ハ部落会町内会等ノ常会ヲ指導シテ大政翼賛運動ノ徹底ヲ図ルト共ニ部落会、町内会、隣保班等ニ於ケル本運動ノ推進ニ当ルコト
(四)大政翼賛会ハ部落会、町内会、隣保班等ヲ指導スルニ当リテハ関係官庁ト密接ナル連繋ヲ保持スルコト


口語訳

大政翼賛会(※1)は5月15日の閣議決定の趣旨に基づいて部落会、町内会、隣保班等を指導対象の組織としてその指導を徹底するため、左の措置を講じるものとする。

(一)部落会、町内会等に大政翼賛会の世話役を置き、隣保班に世話人を置くこと。

(二)世話役および世話人は市町村支部長または六大都市の区の支部長の推薦によって道府県支部長が委嘱すること

(三)世話役および世話人は部落会、町内会等の常会を指導して大政翼賛運動の徹底を図るとともに部落会、町内会、隣保班等における本運動の推進にあたること。

(四)大政翼賛会は部落会、町内会、隣保班等を指導するにあたっては関係官庁と密接な連繋を保持すること。


大政翼賛会ノ機能刷新ニ関スル件(昭和17年5月15日 閣議決定)

                                                            [口語訳]

一、方針
大政翼賛会ハ其ノ本来ノ使命タル万民翼賛臣道実践ノ国民組織確立ノ推進中核体タルノ実ヲ一層発揮セシム
之ガ為現存ノ各種国民運動ヲ大政翼賛会ノ傘下ニ収メ、逐次之ガ調整充実ヲ図リ国民ガ万民翼賛臣道実践ノ生活ヲ営ムコトヲ活溌ナラシムル組織ノ確立ヲ推進ス
二、大政翼賛会ノ事業
(一)大政翼賛運動ノ基底ト為ルベキ国民組織ノ確立
(二)国民思想ノ統一、職域奉公ノ徹底、国防生活ノ確立、戦時経済ノ確保等ノ為ニスル大政翼賛運動ノ推進
(三)国民ノ錬成
 (イ)一般的錬成
 (ロ)国防技術ノ錬成
尚右ニ関連シテ左ノ事業ヲ行フ
(一)上意浸透状況及民情ノ査察
(二)国民生活ノ指導相談
三、大政翼賛会ノ整備拡充ニ関スル措置
(一)行政各庁ノ主宰スル各種国民組織確立ノ運動(産業報国、農業報国、商業報国、海運報国等)ニ関スル事務及之ニ伴フ国民組織ノ編成及指導ノ事務ヲ大政翼賛会ニ委譲ス
(二)選挙刷新、貯蓄奨励、物資節約及回収、健民等国民運動ノ事務及推進ヲ大政翼賛会ヲシテ実施セシム
(三)行政各庁ノ主管スル国民錬成機関ヲ大政翼賛会ニ委譲ス
(四)右各号ニ関連スル行政各部ノ予算ハ将来大政翼賛会ニ対スル補助金ニ統一ス
(五)大政翼賛会ニ対スル監督ハ内閣総理大臣之ニ当リ、尚各種ノ組織及運動ニ対シテハ関係主管大臣ニ於テ之ヲ指導ス
(六)大政翼賛会ノ機構ニ必要ナル改組ヲ行フ
(七)大政翼賛会ノ経費ハ国庫補助及寄附金トス
(八)部落会、町内会等ハ其ノ自治的機能ヲ強化スルト共ニ他面大政翼賛会ノ指導スル組織トシ其ノ間必要ナル調整ヲ考慮ス
四、大政翼賛会ト新政治結社トノ関係
(一)大政翼賛会ト新政治結社トハ相互ニ緊密ナル連繋ヲ保タシム
(二)右ノ為新政治結社ノ構成員ハ適宜大政翼賛会ノ役職員ニ就キ、大政翼賛会ノ機能発揮ニ尽力スルモノトス


[口語訳

一、方針

大政翼賛会は本来の使命である、全国民が臣民としての道を守り、天皇国家を支えるための国民的組織を確立する推進役としての機能を一層発揮させる。
そのため現在ある各種国民運動を大政翼賛会の下にまとめ、順次それらの調整と充実を図り、全国民が臣民としての道を守り、天皇国家を支えるための生活を活発化するため組織の確立を推し進める。

二、大政翼賛会の事業

(一)大政翼賛運動の基盤となるべき国民組織の確立
(二)国民思想の統一、職域における奉公の徹底、国防生活の確立、戦時経済の確保等のために行う大政翼賛運動の推進

(三)国民の錬成
(イ)一般的錬成
(ロ)国防技術の錬成

なお、右に関連して左の事業を行う。
(一)政府の施策が国民にどのように浸透しているかの調査を行うこと
(二)国民生活の指導相談

三、大政翼賛会の整備拡充に関する措置

(一)行政各庁が主宰する各種国民組織の運動(産業報国、農業報国、商業報国、海運報国等)に関する事務およびこれに伴う国民組織の編成および指導の事務を大政翼賛会に移す。
(二)選挙刷新(※2)、貯蓄奨励、物資節約および回収、健民等国民運動の事務および推進を大政翼賛会に実施させる。

(三)行政各庁の主管する国民錬成機関を大政翼賛会に移す。
(四)右各号に関連する行政各部の予算は将来大政翼賛会に対する補助金として統一する。

(五)大政翼賛会に対する監督は内閣総理大臣があたり、各種の組織および運動に対しては関係主管大臣が指導する。
(六)大政翼賛会の機構に必要な組織改正を行う。

(七)大政翼賛会の経費は国庫補助および寄付金とする。
(八)部落会、町内会等はその自治的機能を強化するとともに他面大政翼賛会の指導対象組織としてその間必要な調整を考慮する。

四、大政翼賛会と新政治結社との関係
(一)大政翼賛会と新政治結社(※3)とは相互に緊密なる連繋を保たせる。
(二)右のため新政治結社の構成員は適宜大政翼賛会の役職員に就いて、大政翼賛会の機能の発揮に尽力するものとする。


※1大政翼賛会
1940年(昭15)10月、第二次近衛内閣の下で新体制運動を推進するために結成された国民統制組織。45年6月「国民義勇隊」が結成され、発展的に解消。
※2翼賛選挙
1942年(昭17)4月東条内閣による第二一回総選挙。自由主義的候補者を圧迫、翼賛政治体制協議会による推薦候補者が定数466名中381名を占めた。
※3翼賛政治会
1942年(昭17)首相東条英機の主唱で、翼賛政治体制協議会を母胎とする推薦選挙(翼賛選挙)によって当選した衆議院各派全員の参加の下に結成された政治結社。

戻るトップへ