義勇兵役法(昭和20年法律第39号)    [口語訳付]

第一条 大東亜戦争ニ際シ帝国臣民ハ兵役法ノ定ムル所ニ依ルノ外本法ノ定ムル所ニ依リ兵役ニ服ス
2 本法ニ依ル兵役ハ之ヲ義勇兵役ト称ス
3 本法ハ兵役法ノ適用ヲ妨グルコトナシ
第二条 義勇兵役ハ男子ニ在リテハ年齢十五年ニ達スル年ノ一月一日ヨリ年齢六十年ニ達スル年ノ十二月三十一日迄ノ者(勅令ヲ以テ定ムル者ヲ除ク)、女子ニ在リテハ年齢十七年ニ達スル年ノ一月一日ヨリ年齢四十年ニ達スル年ノ十二月三十一日迄ノ者之ニ服ス
2 前項ニ規定スル服役ノ期間ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ必要ニ応ジ之ヲ変更スルコトヲ得
第三条 前条ニ掲グル者ヲ除クノ外義勇兵役ニ服スルコトヲ志願スル者ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ義勇兵ニ採用スルコトヲ得
2 前項ノ規定ニ係ル義勇兵ノ服役ニ関シテハ勅令ノ定ムル所ニ依ル
第四条 六年ノ懲役又ハ禁錮以上ノ刑ニ処セラレタル者ハ義勇兵役ニ服スルコトヲ得ズ但シ刑ノ執行ヲ終リ又ハ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル者ニシテ勅令ヲ以テ定ムルモノハ此ノ限ニ在ラズ
第五条 義勇兵ハ必要ニ応ジ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ召集シ国民義勇戦闘隊ニ編入ス
2 本法ニ依ル召集ハ之ヲ義勇召集ト称ス
第六条 義勇兵役ニ関シ必要ナル調査及届出ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依ル
第七条 義勇召集ヲ免ルル為逃亡シ若ハ潜匿シ又ハ身体ヲ毀傷シ若ハ疾病ヲ作為シ其ノ他詐偽ノ行為ヲ為シタル者ハ二年以下ノ懲役ニ処ス
2 故ナク義勇召集ノ期限ニ後レタル者ハ一年以下ノ禁錮ニ処ス
第八条 前条ノ規定ハ何人ヲ問ハズ帝国外ニ於テ其ノ罪ヲ犯シタル者ニモ亦之ヲ適用ス
第九条 国家総動員法第四条但書中兵役法トアルハ義勇兵役法ヲ含ムモノトス

  附 則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス


     義勇兵役法[口語訳]

第一条 大東亜戦争に際し帝国臣民(帝国−日本、臣民−国民、家来という意味)は兵役法の定める他、本法の定めによって兵役に服する。
2 本法による兵役は義勇兵と呼ぶ。
3 本法は、兵役法の適用を妨げることはない。

第二条 義勇兵役は、男子は年齢十五年に達する年の一月一日より年齢六十年に達する年の十二月三十一日までの者(勅令で定める者を除く)、女子は、年齢十七年に達する年の一月一日より年齢四十年に達する年の十二月三十一日までの者が服する
2 前項に規定する服役の期間は勅令の定めによって必要に応じて変更することができる。

第三条 前条に掲げる者を除く他、義勇兵役に服することを志願する者は勅令に定めるところによって義勇兵に採用することができる
2 前項の規定にかかる義勇兵の服役に関しては勅令の定めによる

第四条 六年の懲役または禁固以上の刑に処せられた者は義勇兵役に服することができない。ただし、刑の執行を終わりまたは刑の執行を受けなくなった者で勅令の定める者はこの限りではない。

第五条 義勇兵は、必要に応じて勅令の定めによって召集し、国民義勇戦闘隊に編入する。
2 本法による召集は義勇召集と呼ぶ。

第六条 義勇兵役に関して必要な調査および届出については命令の定めによる。

第七条 義勇召集を免れるため逃亡、行方不明、身体損傷、故意の疾病、その他詐偽した者は、二年以下の懲役に処する。
2 理由なく義勇召集の期限に遅れた者は一年以内の禁固に処する。

第八条 前条の規定は何人を問わない。また、帝国外でその罪を犯した者にも適用する。

第九条 国家総動員法第四条ただし書きの中、兵役法とあるのは義勇兵役法を含むものとする。

 付則
本法は公布の日より施行する。

※この法律は昭和20年6月22日に公布され、即日施行された。


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