生徒の戦争と平和に関する意識

☆生徒の戦争と平和の意識・・・・199△年度

 今年で11回目になる「中学生平和意識アンケート」(朝日学生新聞社)の意識調査に今回、 △△中学校も参加した。△△中学校の生徒の意識が全国の中学生とどう違いどう同じかという比較ができた。次がその結果であるが、( )内が本校も含めた全国の%である。なお、調査生徒は三年生全員(120名)である。

1 あなたは戦争と平和について、ふだん考えたことがありますか。       
  はい〜57%(55)  いいえ〜43%(44)   (以下省略)       
〔考察〕                                     
    やや本校の生徒が戦争と平和について考えている生徒が多いが、それほどの差はないと思われる。                                                     
2 第二次世界大戦の被害が最も大きかった国はどこだと思いますか。
           
  日本〜97%(71)  朝鮮〜3%(6)  中国〜0%(9)    (以下省略)
〔考察〕                                    
   戦争と平和の意識において、本校の生徒が最も欠落した部分がこの項目である。第二次世界大戦や太平洋戦争のとらえ方が非常に狭くなっている。2年生で学習した第二次世界大戦の内容が定着していないと考えられる。あるいは、沖縄戦や原爆の被害が大きくクローズアップされた結果とも考えられる。
 太平洋戦争の被害と加害の問題をきちんとおさえた学習を進める必要があろう。        

3 日本はいま、平和だと思いますか。
                      
   はい〜47%(48)   いいえ〜53%(52)
3-1 「はい」の理由(2つまで回答)                    
 @ 生活が安定している ──────────────  50%(34)
 A 戦争がないから──────────────────── 50%(61)
 B 経済的・物質的に豊か────────────── 44%(18)
 C 他国と比べると平和─────────-─────  31%(33)
 D 外国との関係が良好────────-──────25%(14)
                                          (以下省略)
3-2 「いいえ」の理由(2つまで回答)                   
 @ 事件や事故が絶えない──────────────56%(74)
 A 環境破壊が進んでいる──────────────50%(41)
 B 米軍基地が国内にある──────────────44%(20)
 C 政治が乱れている────────────────28%(31)
                                          (以下省略)
〔考察〕                                    
  ほとんど同じ結果となったが、その理由については大きな違いがでた。生活・経済・物質的なものに「平和」を感じ取っている生徒が本校の生徒では多くなっている。「戦争がないから」という意識が世界的視野に立っていない面も見られる。一方、米軍基地に関する意識は、本校の生徒が高いことは当然と言えば当然であろう。外国との関係の認識も本校の生徒の方が高い。

4 日本にいま、軍備は必要だと思いますか。
                   
   はい〜32%(38)   いいえ68%(61)
4-1  「はい」の理由(2つまで回答)                    
 @ いざというときのため────────────── 82%(87)
 A 国防は国の義務だから─────────────45%(29)
                                           (以下省略)
4-2 「いいえ」の理由(2つまで回答)                   
 @ かえって戦争の原因になるから──────────70%(56)
 A 将来戦争がないと思うから────────────30%(14)
 B 国民がそれを望んでいるから───────────26%(23)
                                           (以下省略)
〔考察〕                                    
  この項目も差は認められない。内容において「国防の義務」と捉えた生徒が本校では多い。また、軍備を必要としないと答えた生徒の中で、軍備を戦争の原因にあげた生徒が圧倒的に多いのは、米軍基地を近くにしていることが影響していると考えられる。
                          
5 今後、日本が戦争をすることがあると思いますか。                
     はい〜21%(25)   いいえ〜79%(74)
5-1 「はい」の理由(2つまで回答)                    
 @ 他国の紛争に巻き込まれる危険性がある──────71%(63)
 A 国際関係がうまくいっていない──────---───57%(27)
 B 第2次世界大戦の教訓が風化している─────── 14%(15)
                                (以下省略)
5-2 「いいえ」の理由(2つまで回答)                  
 @ 過去のつらい経験を繰り返さない───────── 52%(46)
 A してほしくない─────────────────41%(55)
 B 国民が反対するから──────────────  37%(22)
 C 平和憲法で決められているから──────────30%(23)
 D 戦争の原因がない─────────────── 15%(9)
                                (以下省略)
〔考察〕                                    
   国際感覚において、本校の生徒は敏感に反応していると思われる。「はい」と答えた生徒の中で、この意識が全国に比べて高く表れている。また、国民に目を向けている生徒が多いのも特徴である。

6 もし日本が戦争を始めたら、あなたはどうしますか。(2つまで回答)     
 @ 反対する───────────--───────69%(48)
 A そのときにならないとわからない─────────  37%(39)
 B にげる──────────────────── 23%(21)
                                                                                             (以下省略)
〔考察〕                                    
  圧倒的に「反対する」の意識が高い。この積極的な戦争反対の意識は、本校生徒の大きな特徴として評価したい。その他の項目に差がないことを考えると、この項目の生徒の意識の有意性を認めたい。                                              

7 社会が平和であるために、あなたが大人に望むことはありますか。       
    はい〜68%(80)    いいえ〜32%(19)
7-1 「はい」の理由(2つまで回答)                    
 @ 戦争をなくしてほしい──────────────52%(37)
 A 政治家が自覚してほしい──────────── 48%(53)
 B 自分勝手な行動をとらないでほしい────────39%(33)
 C 子供の権利を認めてほしい─────-─────  26%(25)
                                 (以下省略)
7-2 「いいえ」の理由(2つまで回答)                   
 @ いま平和だから────────────────77%(36)
 A 生活が安定しているから──────────── 44%(27)
 B 自由な環境が与えられているから────────  22%(14)
 C なにを望んでもむだ──────────────  11%(48)
                                (以下省略)
〔考察〕                                    
 本校の生徒は、全国の生徒に比べて戦争や平和に対する意識が高い。現在が平和かどうかという判断は分かれるにしても、大人に対する要望で戦争と平和に関する項目が全国にくらべて高いことがそのことを示している。  
 さらに、「なにを望んでもむだ」という回答が全国の4分の1と少ないのは、本校の生徒がまだ、大人に対して信頼感があることを示している。全国的に広がりつつある「大人への不信感」は大きな危険信号といわなければならない。

8 社会が平和であるために、あなた自身でなにかしたいと思っていますか。     
   はい〜65%(67)    いいえ〜35%(33)
8-1 「はい」の理由(2つまで回答)                    
 @ わからないけれど、なにかしたい─────────73%(54)
 A 他人と仲良く力を合わせ、いじめをなくす──────32%(28)
 B 平和の気持ちを人々に訴える──────────  23%(9)
 C 海外援助に協力する──────────────18%(12)
 D 自然保護に協力する──────────────14%(32)
                                  (以下省略)
8-2 「いいえ」の理由(2つまで回答)
 @ なにをしていいのかわからない──────────54%(46)
 A 考えたこともない────────────────31%(32)
 B 自分一人では意味がない──────────── 23%(25)
 C 大人がやるべき──────────────── 15%(13)
 D 面倒なので、かかわりたくない────────── 15%(18)
 E いま平和だから────────────────  15%(12)
                                  (以下省略)
〔考察〕                                   
  「はい」と答えた生徒は全国と大差がない。しかし、その内容を見ると、本校の特徴がでている。それは、直接平和に関する行動・意識が高く、説教的積極的であるということである。 
  「なにかしたい」とか「人々に訴える」といったことがそれを示している。                                              
9 日本はこれからの国際社会の中でどのような役割を果していくべきだと思いますか。(2つまで回答)                               
 @ 武力に頼らず、世界平和の実現に向けてリーダーシップを発揮する      ─────────────────────  56%(47)
 A 経済面で貢献する───────────────  26%(26)
 B 文化・芸術面で貢献する─────────────26%(16)
 C 科学技術で貢献する──────────────  21%(26)
 D 国連の下武力行使も含めた平和維持活動に積極的に参加する─21%(26)   
〔考察〕                                    
   この項目でも、本校の生徒は積極的に平和をアピールしていることがわかる。また文化・芸術面での貢献を強調していることも特徴的である。
                                         
10 日本が国際貢献するためには、戦争放棄や武力不行使を定めた憲法第9条を改めるべきだという声があります。あなたは憲法を改正する必要があると思いますか。    
     はい〜3%(26)       いいえ〜97%(72)          
10-1 「はい」の理由(2つまで回答)                     
 @ お金をだすだけでは無責任─────────── 100%(50)
 A 身を守るために武力は必要──────────── 0%(45)
 B 実情に合わなくなっている─────────────0%(25)
                                   (以下省略)
10-2 「いいえ」の理由(2つまで回答)                    
 @ 平和憲法は絶対に守るべき───────────56%(63)
 A 戦争に巻き込まれる恐れがある───────── 35%(31)
 B 貢献する方法はほかにもある────────── 32%(32)
 C 外国との関係がうまくいっている─────────15%(12)
                                  (以下省略)
〔考察〕                                    
  圧倒的に「憲法改正」を否定していることが印象的である。しかも、全国の生徒に比べてもかなり高い数値を示している。憲法学習によって第9条がどんな意味をもっているのかを、沖縄戦の学習などを通して感じとっているせいであろうか。
                                         
11 日本が関わった過去の戦争について、あなたはもっと詳しく知りたいと思いますか。
 
 はい〜83%(65)     いいえ〜17%(34)
11-1 「はい」の理由(2つまで回答)                     
 @ 戦争を繰り返したくないから────────-─── 93%(64)
 A 植民地支配や従軍慰安婦問題など、
    日本の加害国としての側面をもっと知るべきだと思う─-31%(28)
 B 教科書では少ししか触れられていないから────-─21%(26)
 C 日本では原爆の被害ばかり強調されていると思うから- 17%(29)
11-2 「いいえ」の理由(2つまで回答)                    
 @ いま、平和だから───────────────- 67%(24)
 A 過去の出来事は忘れて、未来のことを考えるべき───33%(61)
 B 今教科書にのっている程度の知識があれば十分───33%(26)
                                                          (以下省略) 〔考察〕                                    
   ここでも、本校の生徒の意識が高いことが示されている。戦争についてもっと知りたい、という要求はかなり高い認識がないと生まれてこないものである。8割以上の生徒が、「もっと知りたい」と答えていることは、これまでの平和学習で学んだ「知識」がそのバネとなっていると考えられる。                
   また、「いいえ」と答えた生徒の中で、「いま、平和だから」という理由が圧倒的に多いのも、現状認識の変化によって「はい」に変化する可能性を秘めている。 
  また、「過去のことは忘れて・・・」という項目の数値が全国に比べて低いのは、平和や戦争についての認識からすれば、評価できる数値であると考える。なぜなら「戦争の残酷さ・悲惨さ」を忘れた時、戦争は再び繰り返されるからである。この考えには、太平洋戦争そのものの歴史を忘れさせようとする保守層の思想的背景が根強く影響していると考えられる。
    そのためにも「戦争の風化」は絶対にさけなければならないし、その意味で、本校の生徒の認識は高いと考える。                                                            
〔まとめ〕                                    
 本校の生徒の戦争と平和に関する意識は、概ね次の特徴があることがわかった。
 ・戦争と平和に関する意識が高い。 
 ・平和に関して積極的姿勢をもっている。 
 ・国際社会に関する認識が高い。 
 ・自らの行動として平和を求めている。
 ・戦争と平和に対する学習意欲が高い。
   ・生活・物質面での平和感覚が高い。
 ・軍隊・基地の存在が戦争の原因になることを認識している。       
 ・第二次世界大戦(太平洋戦争)に関する学習内容が定着していない。       

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