戦時教育令(勅令第三二〇号)  [口語訳付]

第一条 学徒ハ尽忠以テ国運ヲ双肩ニ担ヒ戦時ニ緊切ナル要務ニ挺身シ平素鍛錬セル教育ノ成果ヲ遺憾ナク発揮スルト共ニ智能ノ錬磨ニ力ムルヲ以テ本分トスベシ
第二条 教職員ハ率先垂範学徒ト共ニ戦時ニ緊切ナル要務ニ挺身シ倶学倶進以テ学徒ノ薫化啓導ノ任ヲ全ウスベシ
第三条 食糧増産、軍需生産、防空防衛、重要研究等戦時ニ緊切ナル要務ニ挺身セシムルト共ニ戦時ニ緊要ナル教育訓練ヲ行フ為学校毎ニ教職員及学徒ヲ以テ学徒隊ヲ組織シ地域毎ニ学徒隊ヲ以テ其ノ連合体ヲ組織スルモノトシ二以上ノ学徒隊ノ一部又ハ全部ガ同一ノ職場ニ於テ挺身スルトキハ文部大臣ノ定ムル場合ヲ除クノ外其ノ職場毎ニ教職員及学徒ヲ以テ学徒隊ヲ組織シ又ハ学徒隊ヲ以テ其ノ連合体ヲ組織スルモノトス
 学徒隊及其ノ連合体ノ組織編制、教育訓練、指導監督其ノ他学徒隊及其ノ連合体ニ関シ必要ナル事項ハ文部大臣之ヲ定ム
第四条 戦局ノ推移ニ即応スル学校教育ノ運営ノ為特ニ必要アルトキハ文部大臣ハ其ノ定ムル所ニ依リ教科目及授業時数ニ付特例ヲ設ケ其ノ他学校教育ノ実施ニ関シ特別ノ措置ヲ為スコトヲ得
第五条 戦時ニ際シ特ニ必要アルトキハ学徒ニシテ徴集、召集等ノ事由ニ因リ軍人(陸海軍ノ学生生徒ヲ含ム)ト為リ、戦時ニ緊切ナル要務ニ挺身シテ死亡シ若ハ傷痍ヲ受ケ又ハ戦時ニ緊要ナル専攻学科ヲ修ムルモノハ文部大臣ノ定ムル所ニ依リ正規ノ期間在学セズ又ハ正規ノ試験ヲ受ケザル場合ト雖モ之ヲ卒業(之ニ準ズルモノヲ含ム)セシムルコトヲ得
第六条 本令中文部大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮総督、台湾ニ在リテハ台湾総督、関東洲及満洲国ニ在リテハ満洲国駐剳特命全権大使、南洋群島ニ在リテハ南洋庁長官トス

一九四五(昭和二〇)年五月二二日


戦時教育令(勅令第三二〇号)[口語訳]

第一条 学徒は忠義を尽くすことをもって国運を双肩に担い、戦時に重要な用務に艇身して、平素鍛練している教育の成果を遺憾なく発揮すると共に知能の錬磨に努めることを本分にしなければならない。

第二条 教職員は率先して学徒ともに戦時に重要な用務に艇身し、共に学び共に進むの精神で学徒を導く任務を全うしなければならない。

第三条 食糧増産、軍需生産、防空防衛、重要研究等、戦時に重要な用務に艇身すると共に戦時に重要な教育訓練を行うため、学校ごとに教職員および学徒をもって学徒隊を組織し、さらに地域毎に連合体を組織するものとする。二つ以上の学徒隊の一部または全部が同一の職場において身を捧げる時は、文部大臣の定める場合を除いて、その職場毎に教職員および学徒をもって学徒隊を組織しまたは学徒隊をもってその連合体を組織するものとする。
 学徒隊およびその連合体の組織編制、教育訓練、指導監督、その他学徒隊およびその連合体に関して必要な事項は文部大臣が定める。 

第四条 戦局の推移に即応できる学校教育の運営のため、特に必要ある時は文部大臣は、定めによって教科目および授業時数について特例を設け、その他学校教育の実施に関して特別措置を行うことができる。

第五条 戦時に際して特に必要ある時は、学徒でありながら徴集、召集等の事由によって軍人(陸海軍の学生生徒を含む)となり、戦時に重要な用務に艇身し死亡もしくは怪我や傷を受けまたは(戦時に重要な専攻学科)を修了した者は文部大臣の定めによって、正規の期間在学していないかまたは正規の試験を受けていない場合であっても卒業(これに準ずることを含む)させることができる。

第六条 本令中、文部大臣とあるのは、朝鮮では朝鮮総督、台湾では台湾総督、関東洲および満州国では満州国駐剳全権大使、南洋群島では南洋庁長官とする。

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