戦争中の「よい子」像

よい子供の一日(国民学校一、二年生)

〇校訓
 至誠〈協同、礼儀、堅忍、公徳、勤倹〉奉公
〇少年綱領
 一、我等は陛下の赤子なり、日夜大御心を奉礼し、尽忠報国の赤誠を捧げん。
 一、我等は皇国の少年なり、常に皇国の道を修練し、文を修め武を練り以てよき日本人   たらん。
 一、我等は興亜の少年なり、協力一心勤倹力行以て大任を全うし世界を舞台とせん。
〇 一、二年生の児童信条
 一、天皇陛下のからだです、大事にします、丈夫にします。
 一、日本の子供です、元気で規律正しくほがらかです。
 一、こうあの子供です、強く正しくのびましょう。
○家庭生活
 1、決まった時刻に元気よく希望にみちてとび起きる。(夏午前五時、冬午前六時)
 2、夜具の始末は自分の手で。
 3、歯を磨いて洗面、冷水摩擦に身を清め。
 4、形を正し、心をこめて宮城遥拝うやうやしく。
 5、お家の人に朝の御挨拶ほがらかに(お早よう御座います)。
 6、服装を正し、大麻礼拝(霊前礼拝)。
 7、食事は粒々辛苦礼儀正しく感謝をこめてよく噛んで。
 8、準備が出来たら元気な声で「行ってまいります」。
〇登校の道
 1、登校の道は元気よく正常歩で。
 2、左側通行二列に並んで真直に。
 3、道草を食わずにさっさと歩く。
 4、友達に「お早よう」、先生に「お早ようございます」。
 5、車や牛馬に注意せよ。
 6、お嶽、戦没勇士のお墓に対しては感謝の心で敬礼。
○学校
 1、校門 直立不動奉安殿に最敬礼(校舎に敬礼)。
 2、廊下 
  イ、無言正常歩で左側通行。   
  ロ、他の廊下は通らない。
  ハ、廊下で遊ばない。     
  ニ、曲り角は特に静かに歩く。
  ホ、先生に出会ったら軽く会釈せよ。
 3、朝の務 
  イ、当番は早く出て来て窓を開け。 
  ロ、掃き方拭き方心をこめて。
  ハ、きれいな教室でまじめな学習。
 4、写本行 
  イ、鐘の音で不動瞑想。     
  ロ、先生と共に一心専念。
  ハ、一字一句一点一画に心をこめて。
 5、朝礼
  イ、一点鐘で不動瞑想。    
  ロ、カンカン…で無言集合(かけあし)。
  ハ、整列は早く正しく活発に。  
  ニ、礼は真心形を正せ。
  ホ、宮城遥拝は謹しんで心をこめて。
  ヘ、皇軍将兵に感謝の黙祷。
  ト、校訓斉唱一校一心。 
  チ、お話は口を結んで目と耳でしっかり聞く。
  リ、聞いたお話必ず行え。    
  ヌ、体を鍛えよ元気な体操。
  ル、教室へ心をみださず正常歩。
 6、教室 
  イ、出入の礼を忘れるな。 
  ロ、机腰掛カバンは何時でもきちんと整頓。
  ハ、教室は何時でも整頓清潔に、ちりがあったらどこでも誰でもすぐ拾え。
  ニ、窓を開けてきれいな空気を何時も入れ。
○下校の道
 1、奉安殿敬礼 
  イ、校門を出る時直立不動最敬礼。
 2、挨 拶 
  イ、先生や友達に「さようなら」を忘れるな。
 3、歩 行 
  イ、二列に並んで正常歩。    
  ロ、戦没勇士のお墓へ敬礼忘れるな。
○家庭生活
 1、帰宅 
  イ、家に着いたら朗らかに「ただいま」の挨拶。
  ロ、手足を洗い兄弟仲よく。   
  ハ、学校の様子を両親に知らせ。
 2、お手伝い
  イ、呼ばれた時には「はい」と返事をし、親のいうことよく守る。」    
  ロ、いやな顔せずせっせと働く。
 3、自習 
  イ、毎日時間を決めて予習復習忘れるな。
  ロ、宿題は是非自分の力でやり、明日の道具はキチンと揃えて。
 4、入浴 
  イ、身体をきれいに爪も短く。
 5、夕食 
  イ、一家団欒愉快においしく。  
  ロ、今日の出来事共に語れ。
 6、就寝 
  イ、時刻を定めて八時−九時。  
  ロ、うがい歯磨を忘れずに。
  ハ、寝衣着替えて始末をよくし。 
  ニ、「お休みなさい」の挨拶すませ。
  ホ、心静かにぐつすり寝れ。
 7、祝祭日 
  イ、祝祭日のわけをよく調べ。  
  ロ、国旗を大切にして自分で掲げ。
  ハ、珍しい物は御先祖様に供え。
 8、室内 
  イ、履物はきちんと掛えて。    
  ロ、戸障子は静かにぴったりと閉め。
  ハ、室内は何時でもきれいに整頓。
 9、容儀 
  イ、爪や髪は常に短く、汚れた衣類は洗濯し。
  ロ、破れた所はよく繕い。
 10、応接 
  イ、お各様には丁寧に挨拶してよく取次ぎ。 
  ロ、客間は決してのぞき見せず。
  ハ、お各様の履物はそろえておく。
 11、手紙
  イ、親しい方には時々手紙を出し、お礼の手紙はすぐ出して。
  ロ、戦地には慰問の手紙を度々送ります。
 12、病気
  イ、一時も早く両親に告げて。  
  ロ、欠席届を忘れずに。
  ハ、医師、両親の許可を得て登校します。
 13、遊び
  イ、国民学校の生徒らしい美しい言葉でよい遊び。
  ロ、行先と帰宅の時間をはっきり告げ許しを得て外出し。
  ハ、点灯後は外出せず、何時もニコニコすなおな子。
 14、友達 
  イ、仲よく弱い者をいぢめるな。 
  ロ、約束は正しく守り、偽はいわぬ。
 15、隣人 
  イ、近所の人に迷惑かけず隣組は助け合い。
  ロ、用事を頼まれたら喜んで聞き。
 16、挨 拶  
  イ、帽子は右手で外股の外側につけ。
  ロ、はっきり丁寧に挨拶します。
 17、訪問 
  イ、先づ「ごめん下さい」を忘れずに。
  ロ、用事は正しく伝えて、返事はよく聞き。
  ハ、かえりの挨拶「さようなら」を忘れずに。
 18、集合 
  イ、時間は正しくキチンと守り。
  ロ、さわがず話を聞き、
  ハ、一人で早くかえらぬ様。
 19、公衆衛生 
  イ、ところかまわずツバをはくな。
  ロ、用便は必ずお便所で。
 20、公共 
  イ、みんなの物だ大事に致します。
〇学校生活 
 1、朝修 
  イ先づ正面の大麻へ拝礼し、皆一緒に心を澄ませて。
  ロ、勅語奉読御製奉唱に今日一日の誓いも堅く。
 2 学習 
  イ「足を揃え腰を伸し正しい姿勢で目を開き。
  ロ、先生のお話もらさず聞いて、自ら進んでよく学び。
  ハ、わからない事何時でもお聞き、わかるまで。
  ニ、はりきった声で「はい」と答え。
  ホ、元気よくさっとのばして手をあげよ
 3運動場
  イ、遊ぶ前には用をすませ。   
  ロ、光にあたれ日にあたれ。
  ハ、清い空気を何時も吸え。  
  ニ、みんな仲よく元気に遊べ。
  ホ、言葉は上品標準語。    
  ヘ、運動用具を大事に使え。
  ト、散った紙屑皆で拾え。   
  チ、落書があったら誰でも消せ。
  リ、草木を愛せよ、石垣にのるな。
  ヌ、鐘が鳴ったらすぐ昇降口へ。
 4、清掃作業
  イ、鐘が鳴ったら身支度(男ズボン、女ブルマ)整え、作業前の誓詞を忘れず。
  ロ、床が光れば心も光る。心で磨け汗で拭け。
  ハ、骨身を惜まず決った仕事を一心不乱。
                                          (「沖縄近代学校経営」宜野座嗣剛から)

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